バビロン再訪(1)
もう何年もこの地の再訪を夢見ていた。夜も空が明るい季節に。
そしてその夢は現実になった。おれはいま、パリ南部のアパルトマンで、ロックフォールを肴に1.3ユーロの安ワインを舐めながらこの文章をつづっている。19時を過ぎても正午のように明るい空の下で。
日本を発つとき、タバコが心配だった。何年か前にフランスはカフェや公共施設での喫煙が禁止されたとニュースで知り、あの喫煙天国のフランスまでもが……と嘆いたものだ。
が、それはまったくの杞憂だった。カフェでもテラス席ならいくらでも吸えるし、歩きタバコは昔よりひんぱんに目にする。屋内より屋外のほうが煙いほどだ。その倒錯感が実にパリらしく、すばらしい。
